Chaetomium globosumによる小麦茎腐病の効果的な制御

Chaetomiumは、植物病原性菌の重要なグループであり、最も豊富な子嚢菌の1つであり、セルロースや有機物を効果的に分解し、さまざまな微生物と対立することができます。この属には、C. globosum、C. cupreum、C. cochliodesなどが含まれます。最も研究されているのは、C. globosum、C. cupreum、C. cochliodesです。そのうち、C. globosumはAscomycota、Sordariomycetes、Sordariales、Chaetomiaceae、Trichodermaに属しています。子嚢は球形、卵形または倒卵形で、先端に孔があります。子嚢は毛で覆われており、枝分かれせず、不規則で緩く巻かれています。子嚢は棍棒状またはわずかに尖った形状で、簡単に散布されます。子嚢には8つの子嚢子が含まれ、各子嚢子には8つの子嚢子が含まれます。子嚢子は茶色で、レモン形であり、長さは9-12µm、幅は8-10µm、厚さは6-8µmです。

トリコデルマ・リーゼイは一般的な内生菌であり、空気、土壌、その他の自然環境に広く分布しており、抗菌活性物質の生成、植物の成長促進、植物の抵抗性誘導、生態的ニッチや栄養源の競合、再寄生などの複数の機能を持っています。トリコデルマ・グロビジィはさまざまな植物病気に対する生物制御効果があり、植物のセルロースを分解して利用し、多くの生物活性二次代謝物質を生成します。これは農業、医学、産業の分野での応用可能性が高いです。

研究者たちは、培養形態と顕微鏡的特徴の観察により、12XP1-2-3株をTrichoderma bulbifaciensと特定しました。さらに、ITSおよびtef1遺伝子配列の系統解析と組み合わせました。プレート対立実験により、この株がFusarium pseudoharzianum菌糸の成長を有意に抑制できることが明らかとなり、抑制率は65.9%でした。また、Fusarium laminarum、Fusarium graminearumなどの他のFusarium病原菌の成長も抑制できました。さらに、無菌発酵液で処理した後のFusarium globosumの胞子発芽率も著しく低下し、発芽率はわずか42.4%で、胞子発芽の抑制率は55.3%に達しました。無菌発酵液を添加したPDAプレート上の病原菌の菌糸成長も著しく低下しました。

図1 トリコデルマグロブルス12XP1-2-3によるフサリウム疑似ハルツィアヌムへの抑制効果。

トリコデルマグロブルス12XP1-2-3胞子懸濁液を小麦種子コーティング処理に使用すると、鉢で検証され、根および茎に接種された株の分離率はそれぞれ75％および80％であることが確認されました。小麦の発芽後、株は小麦植物に対する高い植物内定着効率を示しています。ただし、株の胞子懸濁液コーティングは小麦の成長パラメータに影響を与えませんでした。これは、株の成長促進効果が明らかではないことを示しています。その後、フサリウム疑似ハルツィアヌムで接種後7日目に、トリコデルマグロブルスムコーティングのない対照処理の小麦植物の発病率は66.6％に達しましたが、ほとんどのコーティングされた小麦植物は明らかな病症状を示さず、発病した植物はわずか3.9％でした。病原体接種後35日目に、処理群の病気指数は依然として対照群よりも有意に低く、病気予防効率は37.3％でした。したがって、小麦をトリコデルマグロビギイ12XP1-2-3で予接種することは、病気症状の発現を著しく遅らせ、病気指数を一貫して低減させることができます。小麦に免疫抵抗を誘導できるかどうかを検証するために、病気抵抗に関連する21個の遺伝子の発現が接種後7日目と21日目に調査され、予接種期間中に病気抵抗に関連するほとんどの遺伝子の発現が活性化されていないことがわかりましたが、ほとんどの病気抵抗遺伝子が接種後21日目に有意に上昇していました。

図2 トリコデルマグロブルス12XP1-2-3コーティングが小麦茎基底腐病の制御に与える影響

3年間の3つの場所でのフィールド試験により、Trichoderma globigiiを接種した小麦グループが、小麦の成長期間全体でさまざまな成長特性において優れた成績を収めたことが証明されました。異なる成長期間における小麦の植物高さ、根の長さ、鮮重量、乾燥重量は、空白対照およびフェニルエーテルメトロニダゾールコーティング処理とは有意な差がなかったものの、Trichoderma bulbifaciensを接種した小麦の葉のクロロフィル含有量は他の2つの処理よりも有意に高かったことから、株12XP1-2-3のコーティングを利用して小麦の成長を促進する可能性が証明されました。異なる年のデータによると、株およびフェニルエーテルメトロニダゾールでコーティングされた小麦種子の効果は、年、場所、品種によっても異なりました。フィールド試験の結果、小麦種子にTrichoderma globulus 12XP1-2-3を使用することで、異なる年や場所での小麦茎基底腐敗の発生率および病気による収量損失が有意に減少したことがわかりました。コーティング処理後の小麦茎腐敗の予防効果は、25.0%〜73.1%であり、基本的な予防効果はフェニルエーテルメトロニダゾールとほぼ同等でした。また、コーティング後の小麦の収量増加は有意であり、3.2%〜11.9%の範囲であり、化学殺菌剤コーティングよりも有意に高かったです。

トリコデルマ・ブルビファシエンスはバイオコントロールの良い潜在能力を持っていますが、その研究開発はまだ初期段階にあります。バイオコントロールのメカニズムや研究の開発と応用をさらに強化する必要があります。作物、病原体、その他の環境要因との相互作用や法則についての詳細な調査を行い、最適なトリコデルマ・ブルビファシエンスのバイオコントロール製剤を作成し、植物病害予防や土壌およびストローの分解促進などの応用においてトリコデルマ・ブルビファシエンスの潜在能力をより良く発揮できるようにします。

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